膝関節の症状でお悩みの方

よくある症状

歩き始めや階段の上り下りなど日常生活で、スポーツや趣味の活動で、痛みを感じる

膝が伸び切らない、曲がりが悪い、日常動作やスポーツで十分機能を発揮できない

家族、友人から膝が曲がっていると言われる

膝関節について

大腿骨と脛骨、膝蓋骨からなる関節です。関節には重要な4つの靭帯が付着しており、関節運動の安定性に寄与しています。股関節と比較すると関節運動の自由度は少なめで、主に伸ばす、曲げる動作が主体になります。

股関節と同様、ヒトの生活動作において体重がかかる荷重関節です。

軟骨と半月板の存在も重要です。軟骨と半月板は歩行時やジャンプ動作でのクッションの役割となり、膝の屈伸運動をサポートする機能も持っています。

膝関節症状のイラスト

代表的な病気

変形性膝関節症

変形性股関節症と同様、関節軟骨の損傷が発症の始まりと考えられています。 軟骨、半月板の損傷は、痛みの原因となります。軟骨の下には軟骨下骨と言われる硬い骨がありますが、軟骨がすり減り軟骨下骨が露出すると痛みを感じます。 徐々に関節のすき間が狭くなり、靭帯のバランスが崩れると、変形が強くなり最終的には動きが悪い膝になります。
変形性膝関節症イラスト
大腿骨内顆骨壊死イラスト

大腿骨内顆骨壊死

50歳以降の方に多く、膝に体重がかかる大腿骨の一部が壊死する病気です。 壊死部の血流が悪くなることや小さな骨折が発症の原因と考えられています。 突然強い痛みが出てくることが多く、体重をかけて歩くことが困難で、安静時や夜間に疼くような痛みが出ることもあります。

当院でおこなっている
治療法

保存療法

保存療法とは手術をせずに症状を緩和する治療法です。 体重コントロール、杖歩行、運動療法(関節可動域訓練、筋力訓練)、薬物療法、ヒアルロン酸の関節内注射などがあります。

脛骨高位骨切り術(HTO)

関節を温存する手術です。膝関節の内側に限局した中等度の関節症で骨質が良い比較的若年者に対して行っています。 膝関節に近い部分で脛骨を骨切りして、変形した関節の矯正を行います。 骨切りした部分には人工骨を充填し、強固なプレートで固定します。骨切り部の骨がしっかりとくっつけばご自身の関節を温存し、痛み、動きの問題を改善することが可能です。

人工膝関節単顆置換術
(UKA)MIS対応

膝関節の内側のみの変形で、前十字靭帯が温存されていて、関節の動きが比較的良い方を手術適応としています。後述する全置換術と比べると手術による皮膚切開が小さく、骨切りも関節の内側の一部だけであり身体への負担が少ないこと、関節の動きがより保たれることがメリットと考えられます。 設置角度に関してはKA法(Kinematic Alignment)を用い、個々の患者様の関節の形に合わせて設置するようにしています。

人工膝関節全置換術(TKA)
MIS対応 Mako対応

膝関節痛に対して最も多く行われている手術法です。痛みを取る効果が高く、変形の矯正も可能です。 人工関節の耐用年数も10年以上可能で、95%以上の患者様が10年以上の期間、人工関節のゆるみなく生活が可能になります。当院のTKAでは傷を小さくして、身体への負担も最小限にします。特に手術支援ロボティックアームMakoを使用した手術では、必要最低限の骨切りと正確な関節設置が可能です。

関節鏡下手術

スポーツ障害・外傷はもちろんのこと、重労働や日常生活動作でも膝や肩関節の損傷が起こります。
当院では、MRIなどで精査しリハビリテーションも重要ですが、小侵襲で行える関節鏡下手術を行っています。
小さい創で、関節鏡と呼ばれる高性能カメラを用いて関節の処置を行います。従来の方法より痛みも少なく短期間の入院で治療可能となりました。

膝半月板縫合術または
部分切除術
半月板損傷の程度や形状により、できるだけ半月板縫合を試みます。難しければ部分切除術を行います。
膝靭帯再建術
前十字損傷、内側膝蓋大腿靭帯損傷(反復性膝蓋骨脱臼)などハムストリング腱を用いた靭帯再建術、半月板損傷を伴う場合は半月板縫合などを追加します。
関節授動術
関節拘縮がある場合は、硬くなった関節包を切開し動かしやすくします。

※その他、肩関節に対しても関節鏡下手術を行うことがあります。

手術支援ロボティックアームMakoについての説明はこちらからご参照下さい